こんにちは、藤村です。
今回は、「手すり」について。
「手すり」は用途に応じて様々な種類のものがありますので、
数回に分けてご紹介していきます。
手すりは、人間の動きをよく考えて、つくられた優れもの。
私達が「座る・立ち上がる」の動作をすれば、
上下に、すなわち床面と「垂直」の動きをしますよね。
この場合は、床面に垂直な「縦手すり」をにつかまると、
体への負担を軽減させて、楽に立ち座りができます。
例えば、電車の座席付近の縦手すりがイメージ
しやすいかと思います。
反対に、「廊下を歩行する・階段を昇降する」という
動作は、床面や傾斜と「平行」の動きになります。
廊下や階段付近の手すりは…平行ですね。
そこで、今回は「手すり」の設置ポイントをざっと
挙げてみましょう。
■「高さ」
手すりの取り付け位置は「高さ」にあり。
太ももの付け根(大転子)の高さにあわせます。
また、まっすぐ立った時の手首の関節くらいの
高さが適当です。
↑これはあくまでも「目安」です!
利用する方が実際に確かめてみるのがベストですね!
■「連続性」
特に階段の手すりは、なるべく連続して取り付けられて
いる事が望ましいです。
止むを得ず、手すりが途切れるような場合は、
空きが4cm以下になるように設置します。
■「先端」
手すりの先端は要注意です。
お年寄が袖を引っ掛けて、階段から転倒・転落
するという事故につながるからです。
また、先端部を体にをぶつけるという怪我の原因にもなります。
(特に小さなお子さんの頭部は危険ですね)
そのため、先端を壁面に埋め込んだり、下方に曲げ込むという
工夫で事故を防止します。
【↑寝巻きやコートなど袖口のゆったりとした
服装は端部に引っ掛けやすい!】
【↑壁面に埋めこんでいます。】
■「補強工事」
手すりを設置するには、壁の補強工事が必要になります。
将来的な手すりの配置換えや、範囲の拡張を考えて、実際の
取り付け範囲より、広めに補強工事をしておくと良いでしょう。
【↑L字型手すり。補強工事を広めの範囲に
行っておくと使いやすい位置への変更が可能】
ここでクイズを一問。
階段の手すりは壁両側に設置するのが理想的です。
しかし、階段幅が狭く片側のみにしか設置できない場合、
あなたはどちら側に手すりをつけますか?
理由もお考えください。
……
答えは、「階段を下る時の利き手側」です。
「下る」時の方が階段を上る時よりも
転落の危険性が高いのです。
利き手側で体を支えて、ゆっくり階段を下れば
より安全です。