こんにちは。藤村です。
今回は、住居のユニバーサルデザインの
背景についてブログをつづります。
具体的には、高齢者や障害者、その家族が
住居のどんなところに不便を感じているのか、
という内容です。
「高齢者」は
65歳以上75歳未満の前期高齢者と
75歳以上の後期高齢者とにわかれます。
現在は、前者のほうが多いのですが、
あと十数年後には、この比率が逆転します。
具体的には、若くて元気な高齢者よりも、
身体機能が低下し健康面に何らかの問題をかかえた
高齢者のほうが多くなるのです。
さて、ここで日本の従来の住居が
はたして高齢者や障害者にとって、本当に生活
しやすいものなのかという疑問が浮かびます。
日本の家屋といえば、柔らかい畳があって
木の温かさが伝わって、ゆったりとした優しい
イメージをいだきますが…
実際は不便が多いのです。
1.段差
木構造が基本のため、玄関や廊下・和室・浴室など
住居内の至るところに段差があります。
つまづきや転倒、移動の妨げにもつながります。
2.スペース
日本従来の家屋は尺貫法に基いて設計・施工
されているため、水まわりや通路などのスペースを
狭く感じることがあります。
健常者が動作するのに十分であっても、
実際介助を伴ったり、車いすで移動するには
スペースが足らないのです。
3.室内面積
諸外国に比べると、日本の室内面積は狭いです。
昔に比べて、家具もいろいろと置くようになり
移動や動作を困難にしています。
4.和式の生活
座卓やちゃぶ台での作業や食事、
和式トイレでのしゃがみ姿勢
深い浴槽への出入りに
布団の上げ下ろし…
洋式の生活に比べ、姿勢や体への負担のかかり具合が
よくわかると思います。
5.温度差
湿気の多い夏に適応するため、
非常に風通しのよいつくりをしています。
ただし、冬は暖房の入った温かい室内と
廊下や階段・トイレ、浴室と脱衣所などとの温度差が
大きくなるというデメリットがあります。
血圧が大きく変動し、
特に循環器系(心臓や脳血管)の疾患をもつ人に
とってかなりの注意が必要です!
住居は、
生活面だけでなく、健康面からみても
かかわりが深いことがよくわかります。
住居のユニバーサルデザインの背景には
こうした問題点を解決するという考えも
含まれているのです。