こんにちは、長野です。
セレシスのお客様の中で、
不動産のかなり深いところからご相談に携わったお客様がおりましたので、
少し時系列にして、ご紹介をしたいと思います。
都内在住のご兄弟の家造りをサポートのお話ですが、
初期の依頼は、弟様より入りました。
現在の建物が老朽化した為、ご兄弟様共同での建替えのご相談でした。
建て替え事業に着手するまでの、およそのあらすじは以下の通りです。
■あらすじ■
もともと土地は借地で、戦後、ご兄弟のお父様が建物を2棟建てて、家族で住まわれてきました。
お父様お母様が他界され、ご兄弟様で相続されて、
2棟の建物のそれぞれに兄弟様のご家族が住まわれてきました。
その後、地主側にも相続が発生し、土地は相続税納付の為、
国に物納され地主は大蔵大臣となりました。
民間の管理会社が入っており、借地の更新や購入の手続きを担当していました。
■土地 と 建物 の当初の状況■
【建物について】
・敷地内に、築後約40年ほど経過した平屋の建物が2棟建っています。
・1棟の床面積は約12坪、もう1棟の床面積は約14坪です。
・建物1棟は登記され、名義はまだお父様名義で、もう1棟は未登記です。
【土地について】
・登記簿上の土地面積は約42坪で、物納の時に測量は実施されており、測量図はあります。
・土地は角地、2本の道路は共に2項道路で、役所調査の結果、
50cmから80cmのセットバックが必要と判断されました。
・角地の為、当然 『角切り』 も必要となります。
・宅地は、道路レベルより約20cmから50cm低いです。
・道路側に土留めの工事が必要と推定された為、役所とせっしょうしたところ、
この工事は、役所が実施することとなりました。(但し、建物完成後)
・当初の机上の計算で、正味面積は約33坪程度と推定されました。
・固定資産税・都市計画税は、ご兄弟で共同にて支払いをされています。
■当初のご兄弟のご希望■
正味面積 約33坪 の土地を借地として更新し、兄弟共同で3階建て1棟の建物を新築する計画。
完全分離形の2世帯にして、お兄様がローンを組み、弟様は現金。
プランは、お兄様は3LDK。弟様は2LDKを希望というおおまかな要望が決定していました。
しかし、ローン返済の一助の為、お兄様名義で、
ワンルームの賃貸を2~3戸、1階に配置することにした為、
1階は賃貸スペース、2階はお兄様世帯、3階は弟様世帯の住居となりました。
以上の条件を基に、大手銀行の全行に、
『借地としてのローン利用が可能である条件』 などを打診したところ、
1行のみ条件付ながらOKが出た為、設計に進みました。
■設計・調整の結果、その後■
いざ、設計を開始すると、賃貸住戸の非難経路を確保する必要性から、
居室の窓を道路ギリギリに設定せざるを得ませんでした。
結果的に、天空率を使用しても 『2方向の道路斜線の3階への影響』 が厳しく、
3階は約10坪程度しか確保できないことが分かりました。
当然、弟様の満足にははるかに及びませんでした。
また、建物に弟様の名義も入る為、
弟様に 『各種の保証の書面を戴かねばならない等の銀行の条件』
を満足させる合意にも至らず、
弟様は、本地で居住されることを断念せざるを得ない状況となりました。
本件は一旦完全に中断することになるのでした。
続きは来週の木曜日のブログで・・・。
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