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2007年09月20日

トイレ⑥ ~暖房設備~

こんにちは、藤村です。
本日はトイレの暖房設備についてです。

なぜ、トイレに暖房をつける必要があるのか?
と思う人もいると思います。

これは、高齢になると排泄に時間がかかりやすく
また、真冬の寒いトイレで心臓発作を起こすことが
意外に多く、居間などに比べて利用時間は短いものの
健康面・安全面から考えると、非常に大切なことなのです。

具体的な暖房設備としては、
暖房便座と室内暖房を併用します。

暖房便座で注意したいのは、低温やけどです。

高齢になると、血管の収縮機能が低下し、
わずかな温度変化に対して血管の拡張がにぶくなります。

例えば、冬場は寒いので低い皮膚温が保たれ
暖かさの程度を小さく感じます。

高温のものに触れていても気づきにくいので
設定温度は特に気をつけたいところです。

また、足元にはパネルヒーターを置きますが
動作や掃除のしやすさから考えると
できれば壁埋め込み式のものがよさそうです。

toiletheatingsystem190920.JPG


寒い日は一日中、暖房を入れたままにしておきたいものですが
コストを考えて、スイッチを入れてから短時間で
室内の暖まる電気式の温風ヒーターが適当のようです。

6週にわたってご紹介してきた「トイレ」のお話ですが、
お役に立ちましたか?

ぜひ家づくりを考えられる際、参考にして頂ければと
思います。


(参考文献:
 福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト 東京商工会議所刊より)

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2007年09月13日

トイレ⑤ ~設備~

こんにちは、藤村です。
本日はトイレの設備に関するお話を
ご紹介したいと思います。

便器については、前回簡単にお話しましたが、
(⇒記事を読む)

今回も少しふれてみたいと思います。

車いすを使用する場合は、車いすが便器になるべく
近づけるように下部の「くびれ」が大きいものを
選びます。

footrest-190913-1.JPG


footrest-190913-2.JPG

これは、フットレストの部分が当たりにくいようにする
ためです。
なお、便座の高さは、車いすの座面と高さを揃えて
約45cmほどの高さになります。


一般家庭でもだいぶ普及した温水洗浄便座は
使い心地がよくて、座ったときの便座のヒヤッとした感じもなく
排泄後の後始末も楽なので、高齢者や障害をもつ人に
よく適しています。
操作するリモコンやスイッチを取り付ける位置については
あらかじめ、目安をつけておくといいと思います。


また、寝室の隣にトイレを配置する場合は、夜中に
排水音で目を覚まさないように、消音便器
を選んでみるとよいそうです。
さらに、臭気を除くために換気扇を取り付けたり、
換気機能、消臭機能のついた便器等で工夫する方法もあります。

個室内の照明スイッチは、「ワイドスイッチ」と呼ばれる
手のひらで軽く触れるだけで消灯ができる
大きめのものが使いやすく、
高齢になると指先の力が弱まって、
思うよりうまくスイッチの入切ができなくなるので
こんな小さな点も考慮してみるのもいいと思います。


(参考文献:
 福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト 東京商工会議所刊より)

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2007年09月06日

トイレ④ ~手すりの設置方法~

こんにちは、藤村です。
本日は、前回同様、トイレの手すりの
設置例についてご紹介します。

下図は車いすに対応したトイレ手すりの設置例です。
手すりの種類はL字型です。

handrail-lavatory002.JPG


まず、横手すりは、車いすのアームレストの高さに合わせます。
縦の手すり部分は、便器の先端から15~30cm前方に
合わせます。

(ちなみに縦手すりの上端の高さは
立ち上がったときの肩の高さから10cmほど上部に取り付けます。)


また、便座の高さは、車いすの座面の高さと合わせて
移動しやすいように高さを調整します。

便座の高さは通常のもので37~39cmほどですが、
車いすに対応した高さとなると、座面の位置が高めになります。
床面からの高さは約45cmほどになりますが、
足が床に届かず不安定な姿勢を強いられる場合や
排泄がスムーズにいかないこともあるので
実際に使いやすい高さを確かめてみる必要があります。

また調整方法は、建築工事の段階で
便座の下に土台をつけて高くする場合や
市販の便器で45cm前後の高さの商品を購入するなど
よく検討してみる必要がありそうです。


(参考文献:
 福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト 東京商工会議所刊より)

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2007年08月30日

トイレ③  ~可動式手すり~

こんにちは、藤村です。
本日はトイレの手すりについてです。
「手すり」については、以前いろいろとご紹介しましたが
(⇒手すりの記事を読む)
今回は、トイレに設置するものついてお話をしたいと思います。

まず考えてみたいのは…
もしも、トイレの個室内に手すりがない場合
体をうまく支えられない人が
掴ろうとする場所はどこでしょうか?

移動の際に壁に寄りかかるようにして伝い歩く、
またトイレの入り口に段差があるため、
足元に注意しなければならず
開き戸のドアノブに手を掛けて体を支えるなどが
よくある例だと思います。

この場合、ドアノブに全身の体重がかかるので
手すりの代わりに使い続けると、
建具自体が重さに歪んで
ドアの「たてつけ」が悪くなったり、
いつドアノブが外れてもおかしくない状態になったりと
人にとっても、住まいにとっても
良いことではありません。

下図はトイレの手すりを設置した一例です。


handrail-lavatory001.JPG


注目していただきたいのは、
左側の可動式の手すりです。
座位を保つのに使用する横手すりは
両側に取り付けるのが望ましいのですが
スペースを狭めてしまうので可動式にして
使用しないときは、邪魔にならないように
壁側にずらしたり、上に持ち上げた状態で収納します。

ただし、可動式手すりは、固定した手すりに
比べて安定性が弱いので、あくまでも座った姿勢を
保つのに使用する程度が良いと思います。

(参考文献:
 福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト 東京商工会議所刊より)

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2007年08月23日

トイレ② ~スペースについて~

こんにちは、藤村です。
本日はトイレのスペースに関するお話です。

トイレのスペースを広く設けるのは、
将来、介助が必要になった場合や
車イスから便座へ移乗する必要が生じた場合に、
ある程度の広さが必要になると考えるからです。

そこで将来的に間取りを簡単に変更できるよう
(スペースを確保するためワンルーム化できるよう)
可動式の壁で洗面所や脱衣所との仕切りをする
方法もあります。


下図は、個室内に洗面カウンターを設置しておき、
いざ介助スペースが必要になったときに取り外せるようにした
間取りの例です。

carespacewc001110.JPG


介助スペースは便器の横側と前方にそれぞれ50cmずつ
とることが必要です。
一般的な木造住宅では、この介助スペースを含めると
1,515mm四方の広さとなります。


さらに車いすを使用する場合や、
もっと介助しやすい広さを確保したい場合は
奥行きが1,820mmあると前方での介助が
しやすくなります。


carespacewc002220.JPG


ここで着目して頂きたいのは、便器の位置です。
便器が個室の中心よりも端の方にあるのは
手すりに手が届きやすくするためです。
また使用する本人の体の状態からどちら側から
介助するかによって便器の位置が変わるので
実際に確かめて検討してみるとよいと思います。


(参考文献:
 福祉住環境コーディネーター検定試験2級公式テキスト 東京商工会議所刊より)

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