ご主人はマンションの企画担当の設計士。購入するなら戸建てが良いとの考えから、ご実家の隣のスペースを借りて計画をスタートすることに。今回は、『三角形の土地』 と、 『勝手の分からない木造住宅の構造』 を相手に奮闘するH様の家づくりをご紹介します。
始めに家づくりの動機を伺うと、「娘の幼稚園では年長になる時に、『入学する小学校の学区毎』にクラス分けをするようで、年長に上がる前になんとか住まいを決めようと思ったんです。」とのこと。そのあとすぐにご両親に相談されて、土地の件は解決したというH様。建物はどのように検討されたのでしょうか? 「父が地元メーカーA社の基礎工事を担当する業者だったので、実家はこのA社で建てて頂いたんです。その為、A社にはまず声をかけようというのが頭にありました。」とご主人。「当然競合させたかったので、大手のメーカーを探していたんですが、その時に友人から『セレシスを使ってみたらどう?』と、教えてもらったんですよ。」とのこと。
ご友人から紹介された『セレシス』は、実際どうでしたか?「セレシスに関しては、とにかく秘書みたいな役割だと聞いていましたので、打合せ初回はどういったことをしてくれるのか、とても気になっていました。」「間取りをメモしたり、僕の言うことも覚えて把握してくれていて、必要以上に自分の意見を押し付ける訳でもなく、『こうしたら良いんじゃないですか?』と的確にアドバイスをして頂きました。」とご主人。奥様は、「(こちらの)言っていることを、メーカーの方以上に素早く理解してくれたのは助かりました。」と、大変喜んで頂いたようです。
大手メーカーからは2×4を中心に選ばれたH様。その理由に、「A社が木造軸組み工法なので、その工法はまず外しました。加えて土地が三角形と狭い為、立体的に使わないともったいないなと感じていたので、『中2階の収納』や『敷地に沿った斜めの施工』など、敷地に適した工法を選んだんです。」との回答。自由性の高い、木造の工法を選択したようです。 しかし、仕事用のソフトを使って、この土地にどの程度の建物が建てられるのかを事前に調べたというご主人は、A社に対して少し気になる点が・・・。「A社だけは天空率を用いての緩和(斜線制限の緩和)をしたことが無くて、どうも自分のイメージと違うものになってしまったんです。大手さんは初めから天空率ありきで、イメージに近い提案をして頂けた分、とても残念でした。」
最終的に三井ホームで決めましたが、決定要因は何ですか?「天空率に対する姿勢も好印象でしたが、全体的なセンスがとても良かったです。」とご主人。奥様は「三井好きだからね・・・私は。」と三井ホームフリークの様子。 中2階については色々と協議されたようですね。「僕は最初から外壁はガルバリウム(金属系)で、中2階を作って、道路面(南側)を高くする希望を出していたので・・・三井ホームのKさんが、小屋裏収納の提案を結構押してきた時は、戸惑いました(笑)」「小屋裏の場合は収納の際に3階に(モノを)持っていくイメージがあるんです。中2階はモノを水平に動かすので非常に楽なんですよ。」
「気にしたのは道路からの視線ですね。前面の道路はけっこう人通りがあるので、その視線には注意しました。」と何とも設計士らしい回答。「洗濯物を見せたくなかったので、バルコニーは手すりを高くしました。通常は1200ミリ程度なんですが、1600ミリにして上下の視線をカットする為に横桟(よこざん)にしました。」とのこと。 しかし、そのバルコニーにも難問が・・・。そもそもメンテナンスのかからないものを希望されていたご主人ですが、「敷地を最大限に活かすには、樹脂系や金属系の既製品では難しいので、特注してもコストの安い木製のものにすることにしました(汗)」と、コスト優先にして、バルコニーはご自身でメンテナンス(防腐塗装)をする決意を固めたとのこと。 また、バルコニー以外の外構工事はお父様とご主人の共同による自主施工にて対応をしたとか・・・バルコニーへのこだわりが、コスト削減意識に繋がったようです。